ニュージーランド移住を目指す夫婦のブログ

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まずははじめの一歩、2018年11月から南島オアマルで生活をはじめました。

ニュージーランドで受けられる無痛分娩の種類

ニュージーランドでは無痛分娩の種類が日本と比べて豊富にあります。

 

以下は自分の勉強用にまとめたものです。。こちらで出産予定の方の、なにかお助けになれば幸いです。

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温浴療法

〇 メリット

  • 温水による熱刺激、水圧による圧刺激などが痛みを軽減させる *1
  • 初期の陣痛に有効 *2
  • 分娩を促進する体勢を取りやすい *3
  • 区域麻酔までの橋渡し、また可能であれば区域麻酔を避けるための方法として有用 *1

✖ デメリット

  • 鎮痛効果は十分でない *1

TENS(経皮的電気刺激)

皮膚に装着した電極からの電気刺激で痛みを抑制するもの。 *1

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〇 メリット

  • 電気刺激の強さは自分で調節可能 *4
  • エンドルフィン(痛みを和らげるホルモン)の放出を助ける *3
  • 初期の陣痛、特に背部痛に有効 *4
  • 子への副作用は報告されていない *4
  • 英国や北欧諸国で普及しており、妊婦の満足度も高い *1

✖ デメリット

  • 機械を事前に借りる必要がある *6
  • 初期の陣痛には有効だが、お産が進むにつれて他の鎮痛法が必要になることが多い *4

ガス(Entonox)

笑気ガス50%と酸素50%を混合したもので *1痛みに直接作用するのではなく意識を違うところに飛ばす *6

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〇 メリット

  • 吸入後すみやかに痛みを和らげ、吸入をとめると数分で効果は消失 *4
  • 高濃度の酸素を吸うため母と子の双方にとって好影響 *4
  • 子への副作用はない *3,4 

✖ デメリット

  • 3人に1人は効果がないと感じる *2
  • 頭のふらつきや軽い頭痛、吐き気の可能性があるが、吸入をとめると治まる *3,4 

オピオイド系鎮痛薬

ペチジン(Pethidine)、モルヒネ(Morphine)、フェンタニル(Fentanyl)、レミフェンタニル(Remifentanil)などがある。筋肉内または静脈内に注射する *1


〇 メリット

  • 硬膜外麻酔(Epidural)が提供できない場合の簡便な鎮痛方法として活用されている *1
  • 投与後30分ほどで効果が出始め、数時間効き目が続行 *4
  • IV-PCA(経静脈的自己調節鎮痛法)はボタンを押すと少量の鎮痛薬が投与される仕組みで *4、自分で必要なときに投与できる。
  • レミフェンタニル代謝が早いので薬の影響時間が短い *4

✖ デメリット

  • 疼痛効果は不十分な場合がある *4
  • 眠気、吐き気の可能性がある *4
  • 胎盤を通過する *3
  • 子の最初の呼吸が遅れる可能性がある。だだしこれは薬ですぐ治せる *4
  • 出産後に子がウトウトしている可能性がある。この間は哺乳がしにくい *4
  • レミフェンタニルは呼吸が遅くなる危険性が高まる *4
  • IV-PCAの効果は区域麻酔に比べて限定的で、吐き気や嘔吐のほか呼吸抑制など重篤な副作用もあるので医師監視下での慎重投与が必要 *1
  • 長時間使用すると体内に鎮痛薬が蓄積し、母および子に影響を及ぼす可能性がある *4

硬膜外麻酔(Epidural)

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〇 メリット

  • 鎮痛作用は最も高い *3
  • 母体のストレス、過換気などによる子への悪影響が軽減される *5
  • オピオイド系鎮痛薬と比べて子への薬移行が少ない *5

✖ デメリット

  • 尿意を認識できなくなるので、一般的に導尿が行われる *2,3
  • 麻酔薬注入中は、飲水OKだが固形物は禁止 *3
  • 母体の低血圧を起こす可能性があり、時に重篤で子の徐脈を起こしうる *1
  • 硬膜外カテーテルが血管内に迷入した場合、局所麻酔中毒になる可能性がある(耳鳴り、めまい、舌の痺れ、進行すると心肺停止)*1
  • 分娩時間が長期化する可能性。ただし妊婦が強い痛みを感じずリラックスできていて、胎児心拍異常がなければ多少の延長は許容すべきと考えられている *1
  • 鉗子分娩(Forceps)や吸引分娩(Ventouse(Vacuum))となる可能性が増す *1
  • 38℃以上の発熱が約10%の確率で起こり *1、一時的な下肢の麻痺やしびれ *3、産後に頭痛の可能性がある *1
  • 硬膜外血腫や腫瘍の可能性。ただ10万例以上に1例など非常にまれ *1

重篤で長期に及ぶ副作用は非常にまれ。 *3 

 

 

▼最終的にはガスと硬膜外注射(Epidural)を使い、無事出産しました。 

  

出典:
*1: 日本臨床麻酔学会誌, 2018
*2: Health Navigator NewZealand
*3: Auckland District Health Board
*4: 英国産科麻酔科医会 パンフレット, 2008
*5: 埼玉医科大学総合医療センター 学会スライド, 2018
*6: Plunket 両親学級