ニュージーランド移住を目指す夫婦のブログ

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まずははじめの一歩、2018年11月から南島オアマルで生活をはじめました。

接地方式の違い

こんにちは、夫です。

 今回はニュージーランドの接地方式についてです。

どういう風に日本とニュージーランドの接地方式を比較しようかと調べていました。前回の記事で「接地方式の違いからか、RCDは日本では馴染みがない」と書きましたが、ちゃんと調べてみると漏電遮断器の一種としてあるんですね。別物と理解していました、なので前回の記事は修正しました。

そして、低圧屋内配線の接地方式ですが、日本とニュージーランドで似ています。異なる点は、ニュートラルとアースのリンクによる地絡電流のルートです。

日本の場合

 日本の方式はTT接地方式というもので、系統のトランスのニュートラルは接地(B種)されており、負荷側は別で接地(D種)されています。f:id:takeus:20210222171627p:plainもしRCDの無い回路上で地絡故障が起きた場合、Active → アース線 → D種接地 → 地面 → B種接地 → トランス → ブレーカー のルートで電流が流れます。

ニュージーランドの場合

次に、ニュージーランドの方式はTT接地方式に似ています。系統トランスのニュートラルは接地されており、負荷側ではメインスイッチボードひとつにつきアース棒が設置されています。ここまでは一緒です。が、異なる点はMEN Linkというバスバーのようなものでニュートラルとアースがスイッチボード内で接続されていることです。f:id:takeus:20210222171632p:plain同様に地絡が起きた場合、Active → アース線 → アースバー → MEN Link → メインニュートラル → トランス → ブレーカーのルートで電流が流れます。接地抵抗>>線路抵抗のため、接地抵抗の大きさに関わらずブレーカーで地絡電流を遮断することになります。トランス - スイッチボード間のニュートラルはアース線の役目を果たすため、PEN (Protective Earthing and Neutral) conductorと呼ばれています。

  日本では接地抵抗にはA種、B種、C種、D種とありますよね。しかし、ニュージーランドでは接地抵抗について明記されていません。重要なのは線路の抵抗値です。これは接続されるブレーカーによって規定値が異なります。そしてこれをEarth Fault Loop Impedanceと呼んでいます。

ニュージーランドではRCDの接続されていない回路ではEarth Fault Loop Impedance Testをする必要があります。ただし、基本的にRCDが設置されるので、あまり実施することはありません。RCDの設置をしなくて良いケースとしては、オーブンなどの調理器具、ホットウォーターシリンダーがあります。

MEN Linkの重要性

もし、MEN Linkが接続されていなかったら、地絡や漏電時にブレーカーが落ちないため感電の恐れがあります。MEN Linkの付け忘れは結構起こりやすいです。なぜなら、スイッチボードを設置後にする試験中にMEN Linkを取り外すためです。

f:id:takeus:20210221191148j:plain

ちなみにメインスイッチボードにぶら下がっているサブスイッチボード(例えばガレージなど)ではMEN Linkを取り付けてはいけないルールになっています。

 

以上のように少しだけ深く書きましたが、どこの国でも接地は安全のためにも必須です。安全に正しく電気を使うためにもしっかり接地(設置)しましょう(ダサい)