ニュージーランド移住を目指す夫婦のブログ

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まずははじめの一歩、2018年11月から南島オアマルで生活をはじめました。

電圧やコンセントについて

はじめまして、夫です。

ニュージーランド電気工事士として仕事をして3年目に突入しました。

電気について学び始めてから15年以上・・・まだまだ分からない事や新しい発見があり、奥が深い世界だなと常々感じています。

英語があまり話せない自分にとっては、この電気の知識が外国で生きていく上で非常に重要です。なんたって物理現象は世界共通、英語ができなくても理解できるし、なんやかんや仕事として通用します。

ただ世界共通とは言え、配電システムを運用していく上で日本とは異なることが多くあります。 

今回はそのことについてお話していきます。

公称電圧と周波数

  日本 ニュージーランド
公称電圧(単相) 100V 230V
周波数 50/60Hz 50Hz

ニュージーランドの公称電圧は230Vですが、日本と同じで公称電圧より高めの電圧が届いており、実測では240V付近(規定では230V±6%)が多いです。三相電圧は400Vです。イギリスの植民地だったからだと思いますが、周波数は50Hzです。

そして電圧が高いこともあってか、安全対策はしっかりされています(何度か感電しましたが、めちゃくちゃ痛いです…)。例えばコンセントです。

コンセント

ニュージーランドではコンセントのことをPower PointやSocket、Outletと呼んでいます。

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形状はハの字型(Oタイプ)+アースです。写真のように向かって左側がActive(非接地側)、右側がNeutral(接地側)、下がEarth(接地)です。電線の色は、Activeが赤、Neutralが黒、Earthが黄&緑です。三相の場合は赤、白、青です。

感電対策のひとつとして、Live part(ActiveとNeutralを合わせた呼称)にはシャッターが付いており、いたずらで針金などをActiveだけに直接挿入することはできない構造になっています。電圧を測定する手順としては、Neutralにプローブを挿入してActive側のシャッターのロックを解除してからActiveにプローブを挿入する必要があります。ただ、古いコンセントにはシャッターがついていないので、お子さんのいる家庭は是非新しい物に変えてもらいたいです。

測定電圧は、Active - Neutral間が230V、Active - Earth間が230V、Earth - Neutral間が0Vです。

また、コンセントの隣に専用のスイッチが付いており、プラグを差し込んでからON/OFFができるため、差し込み時にアークが飛ばないようにもできます。

RCD 

RCDも安全対策のひとつとして使用されていて、Residual Current Deviceの略です。漏電遮断器です。検出値が10~30mAと非常に低く、感電すればすぐにトリップします。主にスイッチボードに設置されていますが、ポータブルのものやコンセントについているものもあります。

簡単に原理を説明すると、同回路においてActiveに流れる電流とNeutralに流れる電流の差分が発生すると、RCD内のコアに磁力が発生して巻線に電流が流れそれを検出することで遮断します。

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ニュージーランドでは30mA以上の電流差を検知するものが一般的に使用されていて、病院や学校では10mAタイプの設置が義務付けられています。

また、感電以外の漏電時(絶縁不良など)でもトリップするため、個人的には優秀なデバイスと思います。「RCDがトリップするので見に来て欲しい」という仕事がたまにあるのですが、考えられる原因が多すぎてエレクトリシャン泣かせな面もあります。

 

次回は接地方式について書いてみようと思います。