はじめてニュージーランドでマイホームを買った記録です。
前編(事前準備~売買契約締結までの話)はこちら。
中編は、売買契約締結の際に盛り込んだ各コンディションについてです。出来事のタイムラインはこんな感じでした。
1. 売買契約書に盛り込んだ「コンディション」をクリアにしていく
売買契約を結ぶ際に、買い手側から "この条件をクリアしないと契約は成立しない(=契約破棄できる)"というのを盛り込むことができ、これを「コンディション」というそうです。私たちはコンディションとして ①ファイナンス ②ビルディングレポート ③エレクトリカルレポート ④LIMレポ―ト ⑤Toxicologyテスト を入れました。
各コンディションには期限が設けられていて、ファイナンスは10営業日(※この日数はモーゲージブローカーに確認のうえ買い手側で設定)、そのほかは15営業日でした。
それぞれの詳細は下のとおりです。
ファイナンス
住宅ローンに関するコンディションです。期限内までに、住宅ローンの貸付元からローンの最終承認を貰う必要があります。私たちは家購入にあたり日本から資金援助(国際送金)を受けていたので、このローン最終審査で少しすったもんだすることになりました。
ファイナンスコンディションをクリアするまでの詳細は下の記事にしました。
最終承認後はモーゲージブローカーから弁護士に直接連絡が行き、弁護士から不動産屋に報告する、という流れでした。
ビルディングレポート
家や土地の状態に関するコンディションです。ビルディングインスペクションはビルダーの方なら誰がしてもOKなようですが、インスペクションを専門(得意)とするビルダーもいて、Settled.govt.nzではそのようなビルダーに依頼することがおすすめされていました。
参考: Settled.govt.nz- Building inspections
Google検索でオアマルでビルディングインスペクションをしている業者を探し、お願いしました。所要時間は数時間(立会不要)、費用は約430ドルでした。実施の日が決まったら不動産屋に連絡し、当日は業者が不動産屋から直接カギを受け取って実施する、という流れでした。インスペクションから3日後に結果のレポートが届きました。レポートは届き次第すぐに弁護士に転送して内容確認してもらいました。
エレクトリカルレポート
電気周りに関するコンディションです。エレクトリカルインスペクションは夫の同僚にしてもらいました。インスペクションでは下の記事に書かれているようなことをチェックするそうです。
エレクトリカルインスペクションも所要時間は長くて数時間、立会不要でした。翌日には結果をレポートにまとめてくれて、これも弁護士にすぐ転送しました。
LIMレポート
家の登記や土地調査に関するコンディションです。LIMレポートはカウンシルが発行する法的な書類で、家の境界や建築当時の間取り、増改築の履歴(カウンシルの許可を得ているか)、土地の災害ハザード情報などが載っていました。
参考: Settled.govt.nz- What is a LIM Report?
LIMレポートの取り寄せには数日かかり、私たちの住むWaitakiディストリクトでは通常10営業日以内で費用は330ドル、急ぎの場合は 3営業日以内で635ドルでした。
また、LIMレポートの申し込みには事前に「Land Record (The Record of Title for the property)」を入手しておく必要がある言われ、こちらのLand Information New Zealandのウェブサイトから手配し費用は5ドルでした。
LIMレポートも弁護士に転送し、確認してもらいました。
Toxicologyテスト(メステスト)
覚せい剤汚染に関するコンディションです。家の中で覚せい剤メタンフェタミン(メスやPと呼ばれる)が使用されていた場合、壁などに薬物が染み込んでいて、その汚染濃度が100㎡あたり15㎍以上など高い数値だと健康被害の原因となるそうです。
参考:NZdaisuki- お役立ち!ニュージーランド住宅ローンのイロハ 第23回
GooNZ- 住居環境の向上を目指すNZ…家主に課せられた「3つの義務」
Settled.govt.nz- Understanding meth
このメステスト、実は最終的にはコンディションから外すことになりました。
というのも・・・
Google検索でオアマルのテスト業者を探したのですが全く見つからず、不動産屋に教えてもらった唯一の業者に連絡するも繋がらず(おそらく閉業)、困ったのでカウンシルに聞きに行ったところ「オアマルではメステストは一般的じゃないので分からない」と言われてしまい、そもそも実施することができなかったからです。
弁護士に相談したところコンディションは外すこともできるそうなので、結局ナシにしてもらいました。
2. 弁護士が各レポート精査。値下げ交渉へ
弁護士の手元に「ビルディングレポート」「エレクトリカルレポート」「LIMレポート」が揃った段階で、弁護士が各レポート内容をチェックしてくれました。そして懸念事項や要修繕箇所をリストアップし、それをもとに売主弁護士へ値下げ交渉してくれました。
初回は数千ドルの値下げで打診しましたがリジェクトされ、2回目の交渉で500ドル値引きで手を打ちました(修繕が必須な箇所の業者見積額が500ドルだったため)。担当弁護士はもう少し交渉を続けようとしてくれている様子でしたが、事前に不動産屋から "早くアンコンディショナルにすれば売主は引き渡し日を早められるそうだ" と聞いていて、次男出産を間近に控えた私はできるだけ早く入居したかったので交渉を妥協した感じです。いま考えればこちらの状況を知ったうえでの向こうの戦略だったのかもしれませんね。
3. 契約成立!
期日内にすべてのコンディション*1がクリアになり(=アンコンディショナル)、そして値段も双方合意に至り、これで晴れて契約成立となりました。引き渡し日(セトルメント日)も当初契約書に書いてあった日付より約2週間早めてもらえました。
そしてついに、家の立て看板にSOLDサインが張られました。
無事契約が成立した後もゆっくりはしておられず・・・
引渡し日までにローンの返済プランを決めたり等、やることが色々ありました。
後編につづきます。
*1:Toxicologyレポートは私たちが取り下げたので無かったことに。